『サイコロジーオブマネー』第3弾です。余剰資金を投資に回すか、目的のない貯金をするか悩んでいます。
早速、本の要点を紹介したいと思います。
・テールイベント
この本の中では、美術商の話が書かれているのですが、テールイベントとはたくさんあるうちの1%くらいの確率で起こるイベントが利益を出していると言うことです。美術商は、大量の美術品を購入するのですが、その一部が高価な商品であると判明し、利益を生むそうです。その他の物は、利益を生みません。その一部の利益が、その他を凌駕するのです。ビジネスや投資はこのテールイベントの仕組みで動いているそうです。ディズニーの成功もこのテールだそうです。
ディズニーは1938年までに延べ数百時間分の映画を製作したが、ビジネス的には『白雪姫と7人の小人たち』の83分がすべてだった。
莫大な時間をかけたその他多くの映画より、1本の83分の映画が利益を凌駕する。
合わせて、このテールはテールを起こす企業で働いている人もテールだと言っています。採用率がGoogleは0.2%、Facebookは0.1%、アップルは2%と狭き門。そこをくぐった人がテールイベントを起こす。
テールがビジネスや投資を動かしているので、この本では、投資の結果として、一定額をずっと投資し続けた人が(景気後退関係なく続ける)、一番利益があったとしています。つまり、テールイベントを飲み込んでいる投資の仕方ということです。テールイベントを起こすには、失敗も必要ということです。
バフェットは、2013年の株主総会で、障害で得た利益は400から500の投資銘柄のうち、10銘柄程度ですべての利益を出していると伝えたそうです。その10銘柄がテールです。
・自由
最高の豊かさとは、毎朝、目を覚ました時に「今日も思い通りに、好きなように過ごそう」と思えることだ。人は、「幸せになりたい」から経済的に豊かになろうとする。幸せとは、喜びの源だからだ。だが、何を持って幸せとするかは人それぞれで、定義するのは難しい。とはいえ、誰にとっても共通の要素はある。それは、「思い通りの人生を送れること」だ。好きな時に、好きな人と、好きなだけ好きなことができる。それは、何物にも代えがたい価値がある。そしてこれこそが、お金から得られる最高の配当なのだ。
まさかの、幸せについての定義が見れました。思い通りの人生が送れることが幸せなんだということです。
この本の中で、心理学者が幸せの要因を導き出しています。それは、「人生を自分でコントロールしている」というはっきりとした感覚があると言うこと。それが幸せの要素だそうです。高い給料よりも、どんな大きい家よりも、ステータスよりも、何よりも、自分の好きな人生を送れることが人を幸せにすると言うこと。同時に、お金は時間をコントロールできるようにしてくれるものだとしています。どんなに好きなことでも、自分でコントロールできないとしんどいと言うことです。人って自分が主導権を握りたいと思っているようです。
とある成功者の話が掲載されています。どうやって成功したか?質問されたそうです。その人は、昼間の仕事をし、切り詰めた生活をし貯金をして、ある一定額に届いたときに、月に数回ライブをすればそのギャラで生活費を賄えるめどがついたそうです。このギャラと貯金で仕事をする必要がないので、1ヶ月後に仕事を辞めてミュージシャンになったそうです。質問した人はその後の話(会社を打ったりした)が聞きたいと言ったそうですが、自由になったのはその時だと言い切ったそうです。お金の自由とはそういうことですよね。お金に対して主導権を握ったのは、その時だと言うことですね。
この章では、お年寄りに聞いたところ誰一人として高給取りになることが大切と答えた人はいなくて、欲しいものを買うために一生懸命働いたら幸せになったと言う人はいなくて、将来、いかに高給取りになるかで仕事を選ぶべきといった人はいなかったそうです。彼らが大切にしていたのは、友情や活動の参加、子供たちとの時間でした。やっぱり、誰とどう過ごすかって大事ですね一人の時間も大事ですけどね。
サイコロジーオブマネーのレビューはまだ続きます。とてもいい本なので、お勧めです。